相続・贈与

配偶者の相続税額

いきなり質問を受けました。「相続人が配偶者だけの場合、相続税額がゼロになるって本当ですか?」本当です、ただし、配偶者以外に法定相続人が一人もいない場合です。 他の法定相続人が相続放棄をしている場合はゼロにはなりません。 また、仮装隠ぺいがあ…

扶養義務者からの贈与

確定申告が近づいてくると、贈与税のご相談も増えてきます。そんな折、国税庁のホームページに「扶養義務者からの贈与に関する Q&Aが公表されています。 ↓ http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/sozoku/131206/pdf/01.pdf 全…

非嫡出子の相続分 その2

25年9月4日に最高裁で、非嫡出子の法定相続分は嫡出子の二分の一とする 民法第900条1項第4号のただし書きは、法の下の平等を保証した憲法に 反するという判決が出ましたが、相続税の対応はどうなるのか 気になっていました。今日、9月24日に国税庁のホームペ…

非嫡出子の相続分 最高裁違憲判決

非嫡出子の法定相続分は嫡出子の二分の一とする民法第900条1項第4号の ただし書きが、法の下の平等を保証した憲法に反するという 最高裁の判決が出ました。 判決要旨と判決分 ↓ 裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20…

叔父・叔母は相続人になれるか

友人からの質問、「両親も祖父母もすでに亡くなっている 独身女性が亡くなった場合、両親の兄弟、つまり叔父や叔母は 相続人となれるか?」相続人については民法第887、889、890条に規定されていますが 条文をすっきりまとめた答えが国税庁のタックスアンサ…

教育資金の一括贈与 その5

昨日は税理士会の支部例会が何とリーガロイヤルホテルでありました。その時に、M信託銀行の支店長他2名の方が出席され、 教育資金の一括贈与の研修がありました。M信託銀行は教育資金の引き出しの際に、請求書等で 資金を引き出すことができます。 その後…

教育資金の一括贈与 その4

「教育資金の一括贈与の非課税制度」に関する広告や記事を 目にすることが多くなりました。当初は信託銀行のみでしたが、最近では信託銀行以外の金融機関も この制度を始めているようです。 最近見た広告で「立替なし」という言葉が目につきました。今までの…

教育資金の一括贈与 その3

25年度度税制改正で新たに創設された「教育資金の一括贈与」に関して 4月13日付けブログのコメント欄でわすれんぼうさんが興味深い 問題提起をしてくださいました。 贈与は生きている人からの財産の移転という従来の概念が無視されている? 租税特別措置法、…

教育資金の一括贈与と成年後見制度

教育資金の一括贈与が非課税という制度、かなり話題になっています。 何せ1,500万円の大盤振る舞い。メリット、デメリットがそれぞれありますが、成年後見制度の 観点からは、お勧めの制度です。 元気な時におばあちゃんが、「孫の大学資金は出してあげるか…

教育資金の一括贈与と信託手数料

25年度税制改正の注目度が高い「教育資金一括贈与」に関して 「信託銀行の手数料無料」と新聞報道されています。無料? 疑い深いおばさん税理士は各信託銀行のホームページをチェックしました。それぞれ詳し内容を公表しています。 「管理報酬は頂きません」…

全国地価マップの活用

コメント欄でぱぱみっつーさんが疑問に思っている、全国地価マップの 評価について。市街地にある農地や山林で、宅地比準、つまり宅地並み課税を受けるものは 財産評価通達40に「その付近にある宅地の価額を基準とし・・・・」と書かれています。「その付…

相続で農地・山林を取得した場合の届出

司法書士さんから教えていただきました。 今年の4月1日から相続で農地・山林を取得した場合は市町村へ届出が必要だと。あわてて調べてみました。(1)農地法の改正による届出。 農地を売買する時は農業委員会に届け出ますが、相続で取得した時は 今までは届…

国際相続

相続の事例勉強会で、相続人が海外に住んでいるケースが たまーに有ります。 ということで「税経通信」9月号を買いました。 特集記事が「国際相続における税務」だったので。亡くなった方(被相続人)や相続人の国籍が日本ではないときは どうするのか。弁護…

公図と法14条地図の違い

相続財産に土地がある場合は、測量図を法務局で申請します。あるお客様の図面に「法14条地図」と記載があったので知り合いの 不動産鑑定士の先生に色々教えていただきました。自宅に帰って復習のため、ネットでも調べてみました。詳しくは次の法務局のサイト…

ホラー映画よりおそろしい「みなし贈与」

10日ほど前に、お客様から生命保険の満期金について相談がありました。従業員の方に税務署から「贈与税の申告について」という郵便物が届いたそうです。早速会ってお話を聞きましたが、とてもおそろしい事例でした。30年前に夫が郵便局の簡易保険に加入しま…

映画 「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」

映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」を見てきました。おばさん税理士が読んでいる新聞の映画評ではあまりいい評価では 無かったのですが、久しぶりに見てよかったと思える映画です。 さて、映画の中でサッチャー元首相が認知症の検査のため病院へ …

ジョイント口座(共有名義口座)と相続

今日は読書の一日。読んだ本は「資産フライト、増税日本から脱出する方法」資産フライト 「増税日本」から脱出する方法 (文春新書)作者: 山田 順出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/10/19メディア: 新書購入: 4人 クリック: 54回この商品を含むブログ (1…

戸籍の勉強会

昨日は支部の女性税理士の勉強会兼お食事会へ行ってきました。テーマは「戸籍の見方について」。講師は若くてきれいな女性の司法書士さん。相続税の申告といえば、戸籍は必須です。 戸籍の勉強も欠かせません。 しかし「戸籍法」「戸籍法施行規則」を漠然と…

定額郵便貯金と可分債権

遺産分割の勉強会で、 「銀行預金は可分債権なので相続分で当然に分割される。 ただし、定額郵便貯金は除く。」ということを知りました。なぜ定額郵便貯金は除くのか? 22年10月8日の最高裁判決の補足意見を読んで、やっと少しだけ 納得できました。 ↓ …

最高裁判決 医療法人と贈与税

以前から注目していた「医療法人とみなし贈与」の最高裁判決が 出ました。 ↓ 裁判所 | 裁判例情報ゆっくり読みたいのですが、BATICの試験日が迫っているので とりあえずプリントアウトしました。 MJSのサイトにこの事件の事例研究でわかりやすいものがありま…

全国女性税理士連盟の研修

今日も研修で福岡市へ行ってきました。 今週のスケジュールは次のとおりでかなりハードでした。月曜日 税務調査火曜日 笹岡先生の資産税の研修水曜日 税務調査木曜日 税理士会の研修(福岡市) 法人税金曜日 午前、午後、夕方お客様訪問土曜日 全国女性税理…

笹岡宏保先生のセミナー

一年ぶりに笹岡宏保先生のセミナーに行ってきました。かなりの雨にもかかわらず会場は一杯でした。やはり笹岡先生の研修は人気があります。今日のテーマは「財産評価(相続税・贈与税)」 (税賠訴訟で提訴されないために!!ここだけは確認しておきたい) …

経営承継円滑法について

コメント欄で「たか」さんから、相続税の納税猶予について 相続後も延々と届出書を提出しなければならないので、大変だという ご意見をいただきました。 たしかに、専門雑誌その他で問題点が指摘されています。1. 相続税・贈与税の納税猶予について (1)経…

研修で佐賀市へ

今日は朝7時に家を出て、佐賀市まで研修に行ってきました。テーマ : 「事業承継支援施策研修」 主催 : 独立行政法人中小企業基盤整備機構 参加費 ; 無料 会場 ; 佐賀市 グランデはがくれ 時間 ; 10時〜17時福岡市でも開催されるのですが、申込が遅れて…

遺言書について

相続の相談を受けるときに、よく「遺言書」のことを質問されます。遺言は民法の第7章に定められています。 第七章 遺言 第一節 総則 (第960条〜966条) 第二節 遺言の方式 第一款 普通の方式 (第967条〜975条) 第二款 特別の方式 (第976条〜984条) 第三…

配偶者に対する相続税額の軽減

ぱぱみっつーさんのコメントに相続人が配偶者のみので 親子兄弟がいない場合は、法定相続分が100%なので 相続税は無税か?と書かれています。 相続人が配偶者のみの場合は確かに相続税は無税です。 ただし、親、子、又は兄弟がいて、その全員が相続放棄…

同時死亡の推定

相続税の調べ物をしていて、同時死亡が問題になるケースがありました。 そんな折、最高裁判所が同時死亡の場合の保険金受取人について 初判断を示したという新聞記事が目に留まりました。 さっそく調べてみると、最高裁判所の判例検索システムにその判決文が…

今更聞けない戸籍のはなし

3月決算法人の申告書の提出が済んで、そのあと処理に追われて バタバタしていました。お客様に渡す申告書の控一式の準備、元帳の打ち出しと科目名の インデックス貼り、前期の資料の整理と今期のスタートの準備。 そして4月分のデーター入力と訪問の準備。 …

被相続人の預金取引記録 最高裁の判例

最高裁判所の判例検索システムで「預金取引関係開示請求事件」の 判決が公表されています。 ↓ 裁判所 | 裁判例情報 全部で3ページなのでプリントアウトして読んでみました。 判決の内容については、おばさん税理士は法律には詳しくないので、 弁護士山口利昭…

長寿医療制度と葬祭費

税理士は相続が開始すると、3ヶ月以内の相続放棄や 4ヶ月以内の準確定申告、遺産分割協議書、相続税の 申告期限等が気になります。でも遺族の方は、その前にやらなければいけないことが たくさんあって大変です。その中で、申請しなければもらえないものがあ…