配偶者の相続税額

いきなり質問を受けました。

「相続人が配偶者だけの場合、相続税額がゼロになるって本当ですか?」

本当です、ただし、配偶者以外に法定相続人が一人もいない場合です。
他の法定相続人が相続放棄をしている場合はゼロにはなりません。
また、仮装隠ぺいがあった場合もゼロにはなりません。

このあたりは、相続税法第19条の2をじっくり読むと理解できると思います。

この条文の中に、「民法900条の規定による当該配偶者の相続分」というのがあります。

配偶者の法定相続分について民法900条に配偶者と子供がいる場合や、配偶者と
直系尊属、配偶者と兄弟姉妹がいるケースについて書かれていますが、
配偶者のみのケースは書かれていません。

でも、民法900条の最初の部分「同順位の相続人が数人あるときは、・・・」という
部分に注目すると、同順位の相続人が一人の場合、例えば相続人が配偶者のみの場合は
法定相続分は100%と読むことができます。
この法定相続分相続税法第19条の2に当てはめて読んでみると、配偶者の
相続税額がゼロになるロジックが理解できます。

いつも思うこと。高校時代、もう少し国語の勉強をしておくべきでした。


民法

法定相続分
第九百条  同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の
   定めるところによる。
一  子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、
  各二分の一とする。
二  配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、
  直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三  配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、
  兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四  子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。