漢和辞典にお世話になっています

久しぶりのブログです。
仕事が忙しいのではありません。
ある勉強会で「租税回避」がテーマの
研究会に足を突っ込んでしまったのです。

山のような資料や難しい本に囲まれ、優雅な夏休みとは
全く縁遠い毎日を過ごしています。

昨日から読み始めた元京都大学の清永敬次教授の
「租税回避の研究」。
大正時代から租税回避が行われ、それに対する「同族会社の行為計算の
否認規定」が創設されたという第三編は大変興味深いのですが、
漢字が読めません・・・・・・・・!

(1)拵える
(2)拘る
(3)屡々
(4)姑く
(5)尠い
(6)制肘
(7)孰れも
(8)掩う
(9)恰も
(10)雖も

(1)こしらえる
(2)こだわる
(3)しばしば
(4)しばらく
(5)すくない
(6)せいちゅう
(7)いずれも
(8)おおう
(9)あたかも
(10)いえども

もともと国語力の無さは自覚していますが、数行読むたびに漢和辞典
お世話になっています。

久しぶりの漢和辞典ですが、とても便利だとあらためて感心しました。
ネットだと読み方がわからないと捜すのが大変ですから。

はずれ馬券は必要経費、最高裁へ。

判例を読む勉強会に参加していますが、法律用語の勉強不足で
苦労しています。

そんな折、インターネットのニュースで、「はずれ馬券は経費?、最高裁上告受理
というタイトルが。

馬券の払戻金は一時所得だと思っていたら、確か5月頃、大阪高裁は雑所得とし、
はずれ馬券も経費とする、という記事を読んだことを思い出しました。

ここで、「上告受理」という言葉を調べてみると最高裁判所のホームページに
説明がありました。
        ↓
裁判所|上告提起と上告受理申立て

何となく解ったような、解らないような。


もう少し調べてみると、「庶民派の弁護士、伊東良�噐」先生のサイトに
とても分かりやすく詳しい説明がありました。
        ↓
まだ最高裁がある?民事編 | 庶民の弁護士 伊東良徳

この説明、特に「最高裁での審理の実情」を読むと、判決前に口頭弁論が開かれる場合、
大阪地裁、大阪高裁の判決は覆る可能性もありそうです。

今後の裁判の行方に注目したいと思います。

笹岡先生の研修

今日は全国女性税理士連盟主催の研修で福岡市に行ってきました。

講師は税理士の笹岡宏保先生で、テーマは(条文や通達だけでは
読めない)「資産税の法令解釈等」。

朝10時から夕方5時までの研修で、大満足の一日でした。

相続税で問題になる「相続開始時に建築中の建物の評価」や
小規模宅地、同族会社の株式の評価について、条文、通達、
裁決事例、裁判例を詳しく、分かりやすく説明していただきました。

多分先生は謎解きがお好きではないかと思います。
判例や裁決を詳しく読み込んで、いろいろな推理を楽しんでいるような
気がしました。

それと、笹岡先生は鉄道マニアのようです。今朝9時台に博多駅
ななつ星」を見ることができたと、とても嬉しそうでした。

法人県民税 均等割 利子割

3月決算法人の確定申告もほぼ終わりに近づいてきました。
毎日睡眠時間が少なくて、少しは痩せるかと思ったのですが
体重計は壊れているのか、プラス××キロ。

さて、赤字決算のお客様で、法人税、復興特別法人税はゼロでも
法人県民税、法人市民税の均等割は納付しなければなりません。

その時に気になるのが、預金利息から控除されている「利子割」です。

法人県民税の所得割はゼロなので、均等割から控除するとなると、納付書の
書き方はどうするのか。

この悩みを解決してくれたのが埼玉県庁のホームページです。
       ↓
http://www.pref.saitama.lg.jp/uploaded/attachment/579503.pdf


8ページと9ページに「利子割額の控除・充当・還付制度について」という
タイトルで解説と納付書の書き方載っています。

均等割から利子割を控除した金額を書けばいいのですね。
ただし、法人県民税の申告書に「利子割還付額の均等割への充当」を希望するに
チェックを入れるのを忘れないようにしなければいけません。

この改正は平成19年からで、今頃気が付いたとは、勉強不足。



さらに、平成25年度税制改正で、法人に係る利子割が廃止されるそうです。
適用は平成28年1月1日以後に法人が受けるべき利子等から。

財務省のホームページで公表されている「平成25年度税制改正の解説」の
901から904ページに利子割の創設から廃止にいたる詳しい説明が書かれています。
        ↓
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2013/explanation/index.html

逓増定期保険に関する質問

メールで次のような質問がありました。
原則、メールでの質問には回答しない(できない)のですが、
今回の質問はとても大きな問題を抱えていると思ったので
取り上げてみました。

節税のスキームについては下記のメールの内容を読んでいただければ、
分かりますが、何故役員に売却するのかについて、「経済的合理性」が
説明できないと、とてもとても危険な商品だと思います。

小心者のおばさん税理士は、お客様には勧めることはできません。

質問者さん、満足のいく回答ができなくてごめんなさいね。

メールの内容の一部は次の通りです。

【 逓増定期保険の解約について 】

▼会計処理の流れ

(1) 保険料 加入時に一括払い ¥100,000,000

  (10年で解約返礼率 100%)

保険料(損金) ¥ 50,000,000 / 現預金 ¥ 100,000,000

積立金(資産) ¥ 50,000,000 /

(2) 3年後に会社役員へ売却 ¥ 30,000,000

  (3年の解約返礼率 30% ¥ 30,000,000)

現預金 ¥ 30,000,000 / 積立金(資産) ¥ 50,000,000

雑損失 ¥ 20,000,000 /

ここで、問題となるのが、雑損失 ¥ 20,000,000 を損金算入して決算した場合、
否認の対象になりうるかどうかということです。

この取引について理由を聞いたら、キャッシュ補填とのことでした。

・・・・以下省略

配偶者の相続税額

いきなり質問を受けました。

「相続人が配偶者だけの場合、相続税額がゼロになるって本当ですか?」

本当です、ただし、配偶者以外に法定相続人が一人もいない場合です。
他の法定相続人が相続放棄をしている場合はゼロにはなりません。
また、仮装隠ぺいがあった場合もゼロにはなりません。

このあたりは、相続税法第19条の2をじっくり読むと理解できると思います。

この条文の中に、「民法900条の規定による当該配偶者の相続分」というのがあります。

配偶者の法定相続分について民法900条に配偶者と子供がいる場合や、配偶者と
直系尊属、配偶者と兄弟姉妹がいるケースについて書かれていますが、
配偶者のみのケースは書かれていません。

でも、民法900条の最初の部分「同順位の相続人が数人あるときは、・・・」という
部分に注目すると、同順位の相続人が一人の場合、例えば相続人が配偶者のみの場合は
法定相続分は100%と読むことができます。
この法定相続分相続税法第19条の2に当てはめて読んでみると、配偶者の
相続税額がゼロになるロジックが理解できます。

いつも思うこと。高校時代、もう少し国語の勉強をしておくべきでした。


民法

法定相続分
第九百条  同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の
   定めるところによる。
一  子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、
  各二分の一とする。
二  配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、
  直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三  配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、
  兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四  子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。

  

時効取得の税務

昨日は税理士と弁護士の合同研修会に行ってきました。
研修会後の懇親会で話題になったテーマが取得時効の税務です。

税理士業務の中で、時効取得はほとんど縁がありませんが
弁護士さんは時々出会う案件だそうです。

時効取得について自分のメモとして少し書いてみました。

(1)土地を時効取得した場合、個人の場合は、一時所得。
  法人の場合は取得した日の属する事業年度の益金算入。   
(2)取得の時は時効の援用の時。(国税庁タックスアンサーNo.1493)
   時効の援用って? Weblioの法律用語辞集によると、
   「時効によって利益を受ける者が時効が成立したことを主張すること。」
    だそうです。
(3)取得価額は取得の時(時効援用の時)所得税法36条第1項、第2項
   取得の時の価額、つまり時価。これが一番難しいのでは?
(4)訴訟等の弁護士費用は一時所得の必要経費とはならない。   
   静岡地裁判平成8年7月18日 事件番号平成6年(行ウ)8
(5)訴訟による和解金は一時所得の必要経費とはならない。
   国税不服審判所 平成24年2月8日裁決
(6)不動産取得税は? 

判例や裁決事例、参考資料をプリントアウトしたのですが、膨大過ぎて、
とりあえず今日は寝ることにします。