欠損金の繰戻し還付 その2
4月4日に21年度税制改正で一部復活した「欠損金の繰戻し還付」
について書きましたが、今日具体的な処理について質問がありました。
実はおばさん税理士は平成5年に税理士登録をしました、と言うことは
この法人税法第80条の欠損金の繰戻し還付が停止されたのが平成4年ですから
実務で繰戻し還付をやったことがありません。
今回、2月決算法人のお客様にこの「欠損金の繰戻し還付」を受けようかどうか
迷っていて色々調べているところです。
その一部を書いてみました。
具体的に「欠損金の繰戻し還付」の適用を受けるための手順
(1)法人税の申告期限までに「欠損金の繰戻しによる還付請求書」を
提出します。(法人税法第80条第5項)
還付請求書の提出が期限後になった場合の救済措置は法人税法基本通達
17-2-2(還付請求書だけが期限後に提出された場合の特例)があります。
(2)税務署長は還付請求書の提出があった場合は必要な事項について調査し、
法人税額を還付するか、請求の理由がないことを通知します。
(法人税法施行規則第38条)
つまり、還付請求書を提出したからといって、必ず還付されるわけでは
ありません。
したがって、欠損事業年度の申告書は別表4も別表7も原則還付に関する
ことは何も記載しません。
※ 削除部分については、2010年10月21日のブログを参照してください。
(3)別表4、別表7の記載要領をみるとわかりますが、「還付請求書」を提出した
翌期の別表4、別表7の記載がちょっと大変です。
別表4の記載例
↓
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hojin/tebiki2008/pdf/06.pdf
別表7の記載例
↓
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hojin/tebiki2008/pdf/11.pdf
(4)翌期の法人事業税の申告書にも影響します。(地方税法第21条)
条文を下にコピーしてみました。
じっくり読み解いていかなければと思ってもう3日たちました。
とりあえず、コーヒータイムにします。
地方税法施行令第21条
法人の行う事業に対する事業税の課税標準である各事業年度の
所得を法第72条の23第1項本文の規定によつて当該法人の当該
各事業年度の法人税の課税標準である所得又は当該各事業年度
終了の日の属する各連結事業年度の法人税の課税標準である連結
所得に係る当該法人の個別所得金額(法人税法第81条の18第1項に
規定する個別所得金額をいう。)の計算の例によつて算定する場合
において、当該法人が当該各事業年度開始の日前7年以内に開始した
事業年度において生じた欠損金額につき法人税法第80条(同法第145条
において準用する場合を含む。)の規定による法人税額の還付を受けて
いるときは、当該法人の当該各事業年度の所得の計算上損金の額又は
個別帰属損金額に算入すべき金額は、同法第57条第1項本文(同法第142条
の規定により同法第57条第1項本文の規定に準じて計算する場合を含む。)
の規定にかかわらず、その欠損金額の生じた事業年度以後の事業年度の所得
の計算上損金の額又は個別帰属損金額に算入されなかつた欠損金額又は個別
欠損金額に相当する金額とする。2 法第72条の23第1項本文の規定によつて法人の事業税の課税標準である
各事業年度の所得を算定する場合においては、法人税法第57条第2項、第3項
第1号及び第5項第1号中「算入されたもの及び第80条の規定により還付を
受けるべき金額の計算の基礎となつたもの」とあるのは「算入されたもの」と、
法人税法施行令第112条第8項第2号及び第113条第1項第1号中「算入された
もの及び法第80条(欠損金の繰戻しによる還付)の規定により還付を受けるべき
金額の計算の基礎となつたもの並びに」とあるのは「算入されたもの及び」と
して、これらの規定の例によるものとする。3 前項に定めるもののほか、法人税法第57条第2項に規定する適格合併等
又は同条第5項に規定する適格合併等が行われた場合における第1項の規定の
適用に関し必要な事項は、総務省令で定める。