市町村民税と未成年者

コメント欄で市町村民税の未成年者について、
色々書いていただいて有難うございます。
謎解き大好きなおばさん税理士としては、調べずには
いられません。

まず、未成年者については、民法に次のように書かれています。

第4条(成年)
年齢20歳をもって、成年とする。

つまり、未成年者とは20歳未満の人。

ところが、

第753条(婚姻による成年擬制
未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。

この条文で混乱が生じているようです。

第一法規出版の「判例民法 9 親族」81ページによると、

2 民法以外の法への本条文(753条)の適用
それぞれの立法の趣旨により判断されるものの原則として適用が無い


他の民法に関する本を読んでも、「婚姻による成年擬制によって、
未成年者が成年に達したものとみなされるのは、私法上の行為に
ついてだけであって、刑法や公職選挙法など公法上の行為に
ついては、成年者として扱われることはない。
」と書かれています。


税法も公法であり、婚姻しても未成年者は未成年者であるという
ことのようです。

相続税法の未成年者控除は結婚していても適用があることを
通達で明らかにされています。

相続税法通達
(婚姻した者の未成年者控除)19の3−2 
法第19条の3第1項の未成年者控除の規定は、民法第753条
(婚姻による成年擬制)の規定により成年に達したものと
みなされた者についても適用があるのであるから留意する。
(平17課資2−4改正)


ところが、個人市町村民税の「非課税の範囲」について、

地方税法第295条
市町村は、次の各号のいづれかに該当する者に対しては
市町村民税を課することができない。・・・
一 生活保護法の・・・
二 障害者、未成年者寡婦又は寡夫(これらの者の前年の
  合計所得金額が125万円を超える場合を除く。)

とありますが、未成年者の定義や注釈等を見つけることができませんでした。


従って、非課税の対象者について、未成年者(既婚者を除く)としている
市町村がかなりあるようです。

例えば、「市町村民税 未成年者(既婚者を除く)」と検索してみると
次の市町村のホームページ表示されました。

    青森県八戸市
    青森県むつ市
    栃木県上三川町
    茨城県稲敷市
    福岡県みやま市
    長崎県大村市 


地方税法地方自治を尊重し、各市町村で条例等で細かな
取り決めが出来るようですが、どちらが正しいのでしょうか。

謎が解けないので、ここでコーヒーブレイクにします。