最高裁と宗教法人の税務 その2

昨日の「宗教法人と収益事業」のブログを見た娘が、
東京の回向院(えこういん)の裁判のことを教えてくれました。

さっそく調べてみました。

江戸時代からペットの供養のお寺として有名な、東京都墨田区
回向院の建物の一部にペットの遺骨保管用ロッカーがあるそうです。

東京都墨田都税事務所は、建物のうちロッカー部分とその敷地について、
「非課税の宗教施設」ではないと、固定資産税を課税したそうです。


回向院側は、東京地裁に提訴しましたが、都側の主張を全面的に
認めて、課税は適法との判決を下しました。
(平成18年3月24日東京地裁 平成17年(行ウ)第52号)


回向院側は東京高裁に控訴して、平成20年1月23日に逆転勝訴しました。
(平成20年1月23日東京高裁 平成18年(行コ)第112号)


もちろん東京都は最高裁判所に上告しましたが、
20年7月17日に最高裁判所が東京都の上告を棄却する決定を
したことで、東京高裁の判決が確定したそうです。


昨日のブログの最高裁の判決の対象となったお寺は、判決文によれば
ホームページやパンフレットで料金表を掲載して、それぞれの
役務の対価として料金を受取っている。

宗教行為としての喜捨等とは異なるので、請負業として収益事業と
なるとあります。


一方、回向院はロッカー代は収益事業として法人税は払っているそうです。


ただ、固定資産税については、地方税法第348条第2項第3号の
「宗教法人が専らその本来の用に供する宗教法人法第3条に規定する
境内建物及び境内地」には固定資産税を課さないとしている部分が
争いの対象になりました。

専らその本来の用に供するという部分の解釈については
東京高裁の判決文をまだ見ることが出来ないので、どのように
判断しているか判例集のデーターベースを調べてみたいと思います。


中途半端な内容になりましたが、判決、判例の難しさを改めて
感じている所です。