相続と寄与分
相続の相談を受けて、お客様の所へ訪問しました。
お姉さん(夫は数年前に死亡、子供無し)を自宅に引き取り
看病をして、最期を看取った妹さんからの相談です。
相続人は、相談者である妹さんと、兄二人。
相続財産は、自宅である家と土地、それと少しの銀行預金です。
ただし、相続財産をどうわけるかで話がまとまらないようです。
おばさん税理士としていつも注意していることは、財産の分割には
決して口出しをしないと言うことです。
どんな分け方をしても、必ず、誰か満足しない人が出てきます。
争いには巻き込まれないよう、中立を守ることを心がけています。
でも、今回の場合は、3年間も動けないお姉さんを看病した妹さんの
味方をしたくなりました。民法の寄与分があります。
民法904条の2 「寄与分」
①共同相続人の中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は
財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の
財産の維持又は増加につき特別の寄与をした者があるときは、被相続
人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で
定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、法定相続分に
よって算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分と
する。
② 省略
③ 省略
④ 省略
弁護士法に触れない程度に、寄与分について説明して、兄二人に
強く主張することを勧めました。
療養看護に関して注意しなければいけないのは、夫婦や親子の間では
面倒を見るのが当然なので寄与分は認められません。
また、寄与分は対象が、共同相続人なので、長男のお嫁さんがいくら
義父、や義母の看護をしても、寄与分は認められません。
いずれにしても、今回の相談も、遺言書さえあればもめないのにと
思いました。