雇用促進税制の問題点

お客様からの電話。
「人を雇ったら、一人20万円貰えるって?」

23年度税制改正の「雇用促進税制」のことのようです。

お客様に分りやすく説明するために条文とパンフレットを
チェックしました。


条文は
租税特別措置法第42条の12、
租税特別措置法施行令27条の12
租税特別措置法施行規則20条の7


制度の概要は国税庁のパンフレットは
     ↓
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hojin/kaisei_gaiyo2011/pdf/02.pdf


厚生労働省のパンフレットは
     ↓
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudouseisaku/dl/koyousokushinzei_02_pamp.pdf#search='厚生労働省 雇用促進税制'


よく読んでみるといくつかの問題点が、

(1)事業年度開始後2ヶ月以内に、「雇用促進計画」を
   ハローワークに提出し、事業年度終了後2ヶ月以内に
   計画の達成状況について、確認を受けること。      
     
   法人税の申告期限は事業年度終了後2ヶ月後なので、
   ぐずぐずしていたら、確認書が間に合わないことも。


(2)国税庁のパンフレットのイメージ図にもありますが、
  新規に7人雇用しても、定年退職者が1人いると、
  税額控除の対象は6人となっています。
  例えば、寿退職や定年退職者がもっと多くて6人いたら、
  7人雇用しても6人退職で、実質増えたのは1人。
  中小企業の場合、2人以上増えないといけないので、アウト。


(3)人数条件をクリアーしても、お給料の高い人が退職して
  安い人を雇用した場合は、給与等の比較条件でアウト。


(4)そして、最後に法人税額の10%(中小企業の場合20%)が
  限度だとされています。
  例えば中小企業で、3人雇用して60万円控除が受けられると
  思っても、法人税が50万円だと、10万円しか控除されません。

  
確かに、売上が伸びる予定で、税額も多い企業には
メリットのある税制です。

反対に売上は横ばい、人件費の増加には耐えられず、法人税
少ない企業では、税額控除の恩恵を受けられないのでは?


それでも、ハローワークには「雇用促進計画」の提出だけは
しておいた方がいいかもしれません。
売上が増加して、人をどんどん雇う状況に成るかもしれませんから。

という事で、「雇用促進計画様式」はExcel、PDFともに
厚生労働省のこちらのサイトにあります。
     ↓
雇用促進税制 |厚生労働省