会計検査院の意見表示

会計検査院が10月26日に公表した「中小企業者に対する
法人税率の特例について」を読みました。
     ↓
http://www.jbaudit.go.jp/pr/media/kensa/kensa22/pdf/221026_zenbun_5.pdf


23年度税制改正で各方面から法人税率の引き下げが要望されて
いますが、会計検査院は中小企業者の所得800万円以下の
22%(現在は18%)の特例税率について適用範囲を検討すべきと
意見表示をしています。


会計検査院の検査の結果、中小企業(資本金1億円以下)でも
大企業並みの所得を計上している企業もあり、それらに
低い特例税率を適用するのは問題だと書かれています。

22年4月から資本金5億円以上の企業の100%子会社は
中小企業の特例税率を適用できなくなりましたが、
適用できない中小企業の範囲をもっと拡大すべきと言っています。

大企業は法人税率引き下げの方向なのに、中小企業は税率アップ。
なんとなく納得いかなくて。


会計検査院については、万城目学さんの小説「プリンセス・トヨトミ
を読んで以来、その活躍に注目していたのですが・・・・・・。


会計検査院の意見表示の最後の部分です。

3 本院が表示する意見
担税力の弱い法人の税負担を軽減することを目的に設けられた
中小企業者に対する法人税率の特例が、真に有効かつ公平に
機能するよう検証し、法人税法の趣旨に沿った課税の執行を
図る必要がある。
ついては、大企業の平均所得金額を超えるなど多額の所得があり
担税力が弱いとは必ずしも認められない中小企業者が、中小企業者に
対する法人税率の特例の適用を受けている事態が見受けられたことから、
財務省及び経済産業省において、地域経済の柱となり雇用の大半を
担っている財務状況が脆弱で担税力の弱い中小企業者を支援する
という中小企業者に対する法人税率の特例を定めている法人税法
趣旨に照らして有効かつ公平に機能しているかの検証を踏まえて
中小企業者に対する法人税率の特例の適用範囲について検討を
行うなどの措置を講ずるよう意見を表示する。