中小企業経営承継円滑化法の研修

今日も研修で福岡に行って来ました。

行政書士会の主催で、テーマは「中小企業経営承継円滑化法と
事業承継税制の概要」です。


19年12月13日に公表された平成20年度税制改正大綱では
「中小企業の事業の承継の円滑化に関する法律」(仮称)とあり
ましたが、最終的には「中小企業の経営の円滑化に関する法律」
という名称になったのですね。


法律案はつぎの通りです。
    ↓
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g16905033.htm


平成20年5月16日に公布され、施行は20年10月1日から、ただし、第2章の
遺留分に関する民法の特例は平成21年3月1日から。


附則第2条の「相続税の課税についての措置」は平成21年度税制改正によるので
施行は通常であれば平成21年4月1日から。
だだし、平成20年10月1日以後のの相続に遡って適用。


何をそんなに急いでいるのか、どうしてバラバラに施行日が決められたのか
謎解きの材料が豊富な法律です。


さて、この中小企業経営承継円滑化法は条文が全部で16条、附則が3条の
コンパクトな法律なので、何度も読み返してみましたが、よく理解できま
せんでした。


第一章 総則
第二章 遺留分に関する民法の特例
第三章 支援措置
第四章 雑則
附則


第二章の「遺留分に関する民法の特例」の概要は


(1)旧代表者が後継者に株式等を贈与した場合に
(2)その株式等を遺留分に含めないことを他の推定相続人が合意をして、
(3)その合意を文書にして経済産業大臣の確認をうけて、
(4)家庭裁判所の許可を受けた時に
(5)民法遺留分の特例が認められるというものです。



旧代表者・・・特例中小企業の代表者であった者または現代表者で
       推定相続人に株式等を贈与した者

後継者・・・・旧代表者の推定相続人で
       旧代表者から株式等の贈与を受けたもの(代襲相続人については省略)
       議決権の過半数保有するもの
       特例中小企業の現代表者




贈与ということなので、当然贈与税が発生し、事業承継対策には
ならないのではと思っていましたが、
今日の研修で、贈与時に「相続時精算課税」を利用し、旧代表者の
相続時には贈与された株式等も含めて新たに創設予定の「取引相場の
ない株式等に係る相続税の納税猶予制度」を利用するというスキームが
説明されました。


何となく納得できそうな感じですが、経済産業大臣家庭裁判所まで
巻き込む割には、誰の為、そして何の為かよくわかりません。


「取引相場の無い株式等に係る相続税の納税猶予」やそれ以上に相続税
課税方式が大幅に改正されるようなので、今度相続税法の改正から
目が離せません。