久しぶりの謎解き
今日は一日謎解きで過ごしました。
いえ、べつにミステリーを読んだわけではありません。
新しいお客様の20年度分不動産所得の確定申告の準備をする為
資料を調べていたのです。
まず、19年度の確定申告書と決算書の内容をチェックします。
そして、お預かりした領収書や請求書、預金通帳のコピー、
家賃収入の資料等を丁寧に見ていきます。
少しずつ謎の部分を解明していくのはミステリーを読むのと
同じくらいにワクワクします。
借入の明細や不動産売買契約書等、足りないものもたくさん
出てきました。
エクセルで不足資料と不明点の一覧表を作成して、どんどん
入力していきます。
また、中古マンションを一括購入しているので、土地と建物の
取得価額をどのようにして決めたのか、とても大切です。
これも、質問事項として、一覧表に入力。
一括購入で、土地と建物の金額が不明の場合、
(1)消費税が記入されていれば5%で割り戻すと建物の金額が
計算できるので、その金額と消費税額を足したものが建物の金額。
全体から建物の金額を引いた残りが土地の金額。
(2)購入した時の土地と建物の時価で按分。
時価が不明の時は、固定資産税評価額等で按分。
(3)国税庁の譲渡所得の申告の仕方(記載例)の36ページにある
建物の標準的な建築価額表」をもとに建物の取得価額を計算する方法。
↓
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2007/kisairei-joto/jyouto/C013.pdf
いずれにしても、償却費の計算や将来売却する時のために、
土地と建物の取得価額を正しく処理しておかなければなりません。
土地と建物の取得価額の算定方法については国税不服審判所の
裁決事例集60 に平成12年12月28日の裁決事例が公表されています。
↓
http://www.kfs.go.jp/service/JP/60/17/index.htm
相続税の路線価を基にしてまず土地の価額を計算して、残りを建物として
申告したものが否定されています。
そのかわり、建物と建物付属設備を合理的に分けて減価償却することが
認められています。
ほかに、判例等は見つけることが出来なかったので、この裁決は
かなり重要だと思います。もう少し時間をかけて、じっくり読むことにします。
ところで、何故この時期に確定申告の準備を、と思われる方もいるかも
しれませんが、今のうちにゆっくり資料を検討しておくと、1月2月の
忙しい時期に慌てなくてすむからです。