非業務用資産を業務の用に供した場合
コメントで、独立開業して、自宅の一部を仕事用に使って
いる場合の減価償却費に関するご質問がありました。
例として次のような前提条件で、計算課程を書いてみます。
平成13年4月に木造住宅を1,500万円で新築(120平米)。
平成19年5月に一部(20平米)を事務所に使用開始。
(1)非業務用期間の耐用年数
住宅用木造建物の法定耐用年数は22年
非業務用は1.5倍で端数は切り捨て
22×1.5=33年 (端数は出ませんでしたね。)
(2)非業務用期間
平成13年4月から平成19年4月までの期間
6年1ヵ月→6年
端数処理は、6ヶ月以上は1年とし、6ヶ月未満は切り捨てます。
(3)非業務用期間の減価の額
1,500万円×0.9×0.031×6年=2,511,000
(33年の旧定額法償却率は0.031)
(4)事業に使用開始時の未償却残高
15,000,000−2,511,000=12,489,000
(5)平成19年分の償却費
15,000,000×0.9×0.046×8ヶ月/12ヶ月=414,000
414,000×20/120(事業割合)=69,000円
(22年の旧定額法償却率は0.046)
(6)平成19年度末の未償却残高
12,489,000−414,000=12,075,000円
平成19年度4月1日から減価償却の改正がありましたが、「非事業用資産の
減価の額の計算」、「非事業用資産を業務用に転用した場合の減価償却費の
計算」は、改正後も変更がなく、いままでどおりです。
税理士事務所の方は、以上の課程をエクセルで作成して
取得価額、年、月、耐用年数を入力すると計算できるように
しておくと、忙しい申告時期役立ちますよ。
(と生意気に書いていますが、おばさん税理士はエクセルの
算式に悪戦苦闘して、いつもの娘の登場でやっと完成です。)
参考条文
所得税法施行令第85条
「非業務用資産の減価の額の計算」
所得税法施行令第135条
「非業務用資産を業務の用に供した場合の償却費の計算の特例」