伊豫商事のミステリー

今日の朝日新聞の朝刊一面のトップ記事から。

「みずほ・三井住友など6行、融資400億円焦げ付き」

記事の内容を読んでみると、まるでミステリー小説。

良く分からない部分もあったのでインターネットの帝国
データーバンク、東京経済、東京商工リサーチ山陽新聞
の記事を読んでみると、かなり興味深い内容が。
「事実は小説より奇なり」そのものの事件のようです。


岡山市の資本金わずか1,600万円の紙製品卸会社「伊豫商事株式会社」
メガバンクを含め6行の金融機関が、総額400億円を融資しているのです。


今年7月国税局の査察がはいり、9月12日に岡山地検が社長以下役員、従業員ら
5名を逮捕しました。(その後、社長は処分保留で釈放されました。)
またも、国税局と地検の連携プレイですね。


融資を受ける為にいろいろな偽装工作をしているのですが、その手口が
ドラマ顔負け。

(1)全農が債務保証すると言う、保証書や議事録を偽造。
  (金融機関は全農に確認しなかったのでしょうか?)


(2)金融機関の融資担当者を信用させる為、東京の全農のビルに呼び出して
   融資話をまとめたこともある。
  (まさにドラマの世界ですね。)


(3)実際の年間売り上げは7億円くらいだったのに05年は470億円、07年は
   820億円と決算書を粉飾していた疑いがある。
  (あまりに金額に差がありすぎますが、金融機関は疑問に思わなかった
   のでしょか。)
  

(4)パソコンで作成した偽の納税証明書に偽の税務署長の印鑑を押して
   提出していた。
   その偽造した納税証明書の税額が、04年分が6億円、06年分が12億円。
  (偽の納税証明書を提出というケースは私は初めてです。)
   

(5)自動車免許証も偽造して金融機関へ提出。
  (普通、銀行員の方は、免許証は目の前で「コピーを下さい」
   と言いますよね。)



お客様が銀行から数百万円を借りる時にはとても厳しくチェックをする銀行が
十億円、百億円単位の融資となると、かえって審査が甘くなるのでしょうか。


7億円の売上げの会社か800億円の売上げの会社なのか、実際に現場(会社)に
行って見るとすぐ分かるのではないでしょうか。

従業員が40人くらいで800億円の売上高と言うと、1人当たりの売上高20億円。
そんな会社、ニンテンドーでも無理です。


あまりの金額の大きさ、金融機関の甘さに朝からびっくりでした。