住宅資金の贈与

1月26日のブログのコメント欄に「ひまひと」さんから
質問があったので、親から住宅資金を貰った時の
税務について返事を書きたいと思います。


親から500万円を援助してもらえると言うことなので
一般的には、相続時精算課税を選択して住宅資金特別控除の
特例を受けると、3,500万円まで贈与税はかかりません。


ただし、相続時精算課税はもじどおり相続が開始した時に
贈与で貰ったものを精算して、もう一度相続財産に加えて
相続税の計算をする制度です。


贈与者である親の相続財産が相続税がかからない金額、
つまり次の金額以下であれば相続税の申告は必要ないので
相続時精算課税制度を利用すれば贈与税はかかりません。

基礎控除5,000万円+1千万円×法定相続人の数)


「ひまひと」さんが親の資産が8,000万円以上と書いている
のは、法定相続人が配偶者と子供2人の場合、控除額が
8,000万円まで相続税がかからなので、それ以上財産が
ある時のことを言っているのだと思います。


親が相続税の申告が必要なくらい財産があるときは、
相続時精算課税制度を選択するのは慎重にしたほうが
いいと思います。


また、相続時精算課税は一度選択すると取り消しが出来ないので
2,500万円の枠を使い切った時は、たとえ100万円の贈与でも
20%の税率で贈与税が課税されます。
一般の贈与の場合の110万円控除は使えません。


それから、必ず贈与税の期限内申告をしないと適用が受けられません。
期限後申告や修正申告ではだめなので注意が必要です。



「根拠条文について」

(1)相続税法21条の9 (相続時精算課税の選択)

   65歳以上の親からの贈与と規定されています。

(2)相続税法21条の12 (相続時精算課税に係る贈与税の特別控除)

   2,500万円と規定されています。

(3)租税特別措置法70条の3 (特定の贈与者から受託取得等資金の
         贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例)

   65歳未満の者から・・・と年齢制限がはずされています。
   相続税法を準用とあるので2,500万円はそのままです。
   

(4)租税特別措置法70条の3の2(特定の贈与者から住宅取得等資金
          の贈与を受けた場合の相続時精算課税に係る
          贈与税の特別控除の特例)

   2,500万円に加えて、さらに1,000万円控除するとあります。


(1)から(4)まで、相続税法租税特別措置法を適用して
住宅取得等資金は65歳未満の親からの贈与でもでも3,500万円まで
控除できると言うことです。



税法って本当にミステリーよりミステリアスですね。