査察調査
国税庁のホームページに「18年度における査察の概要」が
公表されています。
↓
http://www.nta.go.jp/category/press/press/h19/sasatu.htm
査察とは悪質、大口の脱税行為に対して国税局の査察部が
「国税犯則取締法」にもとづいて行う強制調査のことを言います。
裁判所からの令状に基づき家宅捜索などをおこない、悪質な場合は
検察庁に告発します。
検察庁は裁判所に起訴するかどうかを検討し、起訴され有罪が確定すると
懲役や罰金刑を言い渡され、前科がつきます。
執行猶予の付かない実刑を言い渡されることもあります。
18年度の実績を見てみるといくつかの興味ある数字が読み取れます。
(1)強制調査の実施件数は231件、そのうち告発件数は166件。
件数はそんなに多くありませんが、1件当たりの脱税額が億単位なので
かなり税収の確保には貢献しています。
また、告発率は75.1%と悪質な事例が多いことが分かります。
(2)166件のうち、脱税額が3億円以上が17件、5億円以上が5件。
最近は億単位の金額にあまり驚きませんね。
(3)告発の多かった業種のトップは人材派遣業というのはちょっと
意外です。
不課税取引である給与を課税取引となる外注費と偽って、消費税を
脱税していたケースや所得を全く申告していない無申告も多かったようです。
2位はキャバレー・飲食業、3位は建設業。
(4)次に、注目すべきは、有罪率が100%、つまり、告発した166件の
すべてが、有罪になっていることです。
しかも執行猶予の付かない実刑判決を受けた人が14人もいます。
査察部も検察庁も悪質、大口の脱税者の告発にがんばって、国家の財政赤字の
改善にいっそう貢献して欲しいと思います。