生命保険金と一時所得

1月5日の宝くじが非課税、競馬のあたり馬券は一時所得、と言う内容に
「ぱぱみっつーさん」から次のようなコメントをいただきました。


さて「一時所得」で思い出したのは「満期保険金」のプラスと
マイナスが相殺できるかです。
ある年の満期保険金が2つあって、ひとつは100万円のプラスで
一つは50万円のマイナスってことはよくあります。
この場合一時所得は100-50=50で特別控除内の範囲で所得無と
なるか否かです。
かってこのケースで税務署に相談したところ「ダメ」という返答を
いただいたのですが、納得いかなくて調べてみると・・・・・


答えが待ちきれなくて、おばさん税理士も調べてみました。

国税庁の質疑応答事例には「一時所得の内部通算は可能です」と
書かれています。
     ↓
国税庁ホームページリニューアルのお知らせ|国税庁


最後の注意書きがきになります。

(注) 定期保険の保険期間が満了した場合のように収入金額(満期保険金等)の
ないものは内部通算できません。


定期保険、いわゆる掛け捨ての保険は満期返戻金がない、つまり収入金額がないので、
支払った保険料を必要経費にすることは出来ないということです。


一時所得について規定されている所得税法第34条を何度も読んでみました。


(一時所得)
第三十四条  一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、
給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を
目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務
又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。

2  一時所得の金額は、その年中の一時所得に係る総収入金額からその収入を
得るために支出した金額(その収入を生じた行為をするため、又はその収入を
生じた原因の発生に伴い
直接要した金額に限る。)の合計額を控除し、その残額から
一時所得の特別控除額を控除した金額とする。

3  前項に規定する一時所得の特別控除額は、五十万円(同項に規定する残額が
五十万円に満たない場合には、当該残額)とする。


第2項の「収入を生じた」に注目です。


一時所得は、所得内通算できますが、収入を生じたものだけがその対象です。

ハズレ馬券は当然収入がないので、その馬券代は必要経費にできない、
掛け捨ての保険も、収入がないので、保険料は必要経費にできない。

反対に、解約して受取った解約返戻金より掛金のほうが多く、損が
出ている場合でも、収入はあるので、内部通算の対象になる。


税法って本当に謎解きです。今日も一日、所得税法第34条で遊べました。