最高裁の判決とTAINS
裁判所の判例検索システムをチェックしてみると、
税法に関する最高裁判決が公表されていました。
「更正すべき理由がない旨の処分の取消請求事件」
↓
裁判所 | 裁判例情報
最後の「全文」のところをクリックすると判決が読めます。
(1)株式会社は、提出した法人税の申告書に誤りがあったので、
「更正の請求」をした。
(2)税務署は「更正すべき理由がない旨の通知」をした。
(3)税務署は別個の理由により「更正」をした。
内容を読んでいて、驚いたのは、上告人である会社は所得金額が約60億、
納付税額が約18億もあるのに、申告を税理士に依頼することなく
社内の財務部に所属していた従業員にまかせていたそうです。
もう少し詳しく知りたくて、「TAINS 税理士情報ネットワークシステム」で
調べてみました。
ちなみに、TAINSは会員制で、先月やっと入会しました。
知りたい判決や審判所の裁決が読めるのでとても幸せです。
第1審は熊本地方裁判所で18年1月26日に判決が言い渡されています。
事件番号 平成16年(行ウ)第3号
次は福岡高等裁判所で、判決は18年10月24日です。
事件番号 平成18年(行コ)第7号
判決文をプリントアウトして読んで見ましたが、一度読んだくらいでは
よくわかりません。
そんな時は、伊藤義一先生の「税法の読み方、判例の見方」の次の文章を
思い出して、参考にしています。
・・・・どちらがどれだけ勝訴したのかが不明の場合には、
主文の訴訟費用の負担割合を見ればよい。
今回の事件も費用の負担を見れば、どちらが勝ったかわかりやすいです。
(1)熊本地方裁判所の主文の最後に次のように書かれています。
3 訴訟費用は被告の負担とする。
(被告は税務署です。)
(2)福岡高等裁判所の主文では、
3 訴訟費用は、第1、2審とも被控訴人の負担とする。
(被控訴人は株式会社です。)
(3)最高裁判所の主文では、
2 訴訟の総費用は被上告人の負担とする。
(被上告人は税務署です。)
今からもう一度、各判決文を読み返してみようと思いますが、
全部で33ページ。
とりあえずコーヒーブレイクにしたほうがよさそうです。