電子政府と印紙税

娘に簿記3級を教えていますが、手形のことを色々
聞かれました。
実務経験がないので、手形の割引や裏書のイメージが
わかないようです。

また、なぜ手形に収入印紙を貼らないといけないのか、と言う質問
には、印紙税法で決っているから、としか答えられません。


ところが、時代は大きく変わろうとしているのですね。
印紙税のいらない案件がいっぱいです。


(1)手形の収入印紙

ちょっと古い情報ですが、平成19年6月20日に「電子記録債権法
が成立し、1年6ヶ月以内、つまり平成20年中には施行されます。

この法律は、手形や売掛債権等を「電子債権記録機関」の記録原簿に
記録して、インターネット上で債権の回収や譲渡等を可能にし、
事業者の資金調達の円滑化を図ることを目的としているそうです。
(ほとんど法務省の説明からの文章です。)

電子化されるということは、手形の収入印紙は不要となります。


(2)定款の収入印紙

会社を設立する時に定款を作成し、公証人役場で認証してもらう
ことが必要です。その時に、認証手数料5万円と、公証人が保存する
定款の原本に4万円の収入印紙を貼らなければなりません。

ところが、電子公証制度ができ、電子定款の場合は収入印紙4万円を
貼る必要がなくなりました。


(3)契約書、領収書の収入印紙

契約書や3万円以上の領収書には収入印紙が必要です。
ところが、国税庁が公表した情報によれば、契約書や領収書を
ファクシミリや電子メールで送った場合は、実際に文書が交付
されないので、収入印紙は不要と書かれています。
また、ファックスや電子メールをプリントアウトした文書は
コピーした文書と同様のものと認められるので、課税文書とは
取扱わない、つまり、収入印紙はふようです。


こうしてみると、紙ベースの文書は電子書類と比べて、印紙税
関してかなり不公平な取扱となります。


電子政府を進めるのであれば、いっそこの際、印紙税法は廃止
してしまってもいいのではないでしょうか。